RAIDとは複数のHDDを用いて1つのHDDとして扱うことで、
ディスクの故障に対する耐性やデータ書き込み処理の高速化を
実現する技術であることは、前回の記事で少しだけ触れました。
前回はRAIDを提供するハードウェアとソフトウェアについて、
記しましたので、
今回は、RAID構成を話す予定でしたが、
その前に、RAIDにより提供される機能について話を行いたいと思います。
RAIDにより提供される機能は
大きく二つあります。
1つはHDD故障への耐性です。
通常、HDDが1台しかないと、
HDDの故障とデータの喪失はほぼ同意ですが、
HDDを複数配置して冗長化することにより
もしHDDの一つに故障が発生した場合でも、
残りのHDDに故障が無ければ、データの損失は無く、
故障したHDDを正常なHDDに交換することで、
故障したHDDに配置されていたデータを復元できます。
またRAIDコントローラによっては、
サーバやNASの電源を入れたまま、HDDを交換できる機能である
ホットスワップを有する物もあります。
また、これとは別に、予備のHDDを機器に接続しておいて、
故障が発生した際には、予備のHDDを使用する機能を
ホットスペアといいます。
もう一つはデータ処理の高速化です。
ファイルが一つあったとして、
これがHDDに保存される際には、
いくつものブロックに分けられます。
ファイルA = ブロックA1 + ブロックA2 + ブロックA3 + …… + ブロックn
これをブロック単位でHDDに保存・読込を行います。
1つのHDDに対して、ブロックA1~ブロックnまで配置した場合と
2つのHDDに対して、ブロックA1~ブロックnまでを分散させて配置した場合、
HDD1台当たりのブロック数は後者の方が少ないため、
データへのアクセス速度などが上がります。
次回はRAIDレベルなど話をしたいと思います。